アミノ酸(タンパク質)の必要量
筋肉、内臓、皮膚、血液中の細胞、ホルモン、遺伝子、酵素の主成分。
このタンパク質を構成しているのは、20種類程度のアミノ酸という物質で、あらゆる細胞にとって必要な栄養素だという事がわかります。中でも、硬タンパク質であるケラチンは、毛髪や爪に多く存在します。
アミノ酸には、必須アミノ酸といわれる栄養素が存在し、これらは食事からでないと摂取する事ができません。これは、人間が狩猟生活をしている時から、自然の食物から取り入れる事が容易だったために、体内で生成される機能が失われたという説があります。
食物に含まれるタンパク質は人の体内で使用されるアミノ酸の配列とは違うので、体内で吸収される際に一度分解されて吸収された後に再合成されます。
一日に必要なアミノ酸の量は、成人男性の20代~40代前後で約60gと言われ、これは体内に新しく取り入れる為に必要なアミノ酸の量で、正確には体内でのアミノ酸の一日の使用量は約180gです。
「のこりの120gはどこすか?」
残りの120gのアミノ酸は、体内で古くなった生体成分からアミノ酸180gが再合成され、そのうちの67%程度にあたる120gが再利用されます。そして、残りは捨てられて新しく60gが必要なのです。アミノ酸+新規のアミノ酸60gの180gがあらゆる組織の生成に使用されるというメカニズムです。
簡単に考えると、体内で生成することのできない必須アミノ酸約60gは、毎日の食事から摂取する必要があるのです。また、アミノ酸は細胞の成長には欠かせないので、欠乏した状態が続くと発毛する事が難しくなるというのは理解できると思います。
「必須アミノ酸を取り入れるにはどうしたらいいの?」
その前に必須アミノ酸の種類を確認しておきましょう。
<必須アミノ酸の種類と理想バランス>
- ヒスチジン:120g
- バリン:220g
- トリプトファン:70g
- スレオニン:210g
- フェルアラニン:390g
- メチオニン:160g
- リジン:360g
- ロイシン:410g
- イソロイシン:180g
必須アミノ酸は、このようなバランスで摂取すると体内で効率よく活用されます。このバランスを考えながら食物を選び摂取するという事が、髪の為には欠かせません。
「バランスを崩すとどうなるの?」
バランスを崩すと体内では効率良く使用されないので、せっかく体内に取り入れたアミノ酸を無駄にしてしまうことになります。必須アミノ酸は、それぞれが動力を伝える為に必要な部品です。その部品の一つが欠けたり、小さかったりするだけで動力の伝達がストップしてしまうという事です。
必須アミノ酸のバランスが取れた食材は、アミノ酸スコアという基準が設けられており、このスコアが高い食材の摂取を心がけることが発毛には欠かせません。
<アミノ酸スコアの100(最高値)の食材>
大豆、豆腐、納豆、カツオ、マグロ、イワシ、アジ、アナゴ、サケ、牛サーロイン、豚ロース、鶏モモ肉、ムネ肉、カマボコ、ロースハム、卵、牛乳、鶏レバー、豚レバー、馬肉、山羊肉など。
アミノ酸スコア100の食材は、動物の肉やレバーや魚類に多く、これらを意識して摂取するように心がけてください。
ただし、中には過剰症を引き起こすビタミンAや、調理の仕方によってはアミノ酸の元であるタンパク質の吸収を阻害するものなどが存在します。このあたりに関しては、別で説明しようと思いますので、まずはこれらの食材をバランスよく摂取するという食事習慣を取り入れるだけで、栄養面はかなり改善され、時間と供に髪の毛にも効果が現れてくるという期待が十分できます。
そもそもアミノ酸とタンパク質とは何が違うのか
アミノ酸とタンパク質と聞くと、同じ様な使い方で、時と場合によってもあやふやに使われがちです。私も、栄養について調べ始める前までは、良くワカリマセンでした。笑
この二つの違いをはっきり区別する、とても良い例えがありましたので、拝借したいと思います。
こんな倉庫を想像してください。
- アミノ酸:ブロック
- タンパク質:建物
こんなイメージです。
アミノ酸が結合することで、タンパク質となります。
生卵は要注意!!
アミノ酸スコア100の食材の中にも卵が存在しますが、実は、生卵には脱毛の恐れがあるという事がわかりました。それは、ビオチン(別名:ビタミンH)が、皮膚や髪の毛と関係の深いビタミンの一つという事なのですが、生卵と一緒に摂取する事で、ビオチンの摂取障害が起きるようなのです。
これは、生卵に含まれるアビジンというタンパク質が腸内でビオチンと結合してしまうので、体に吸収されなくなってしまうという仕組みです。加熱すれば問題ないという事なので、たまごかけご飯は美味しいですが、髪の毛には良く無いので注意してください。
手軽でアミノ酸スコアの高い卵ですが、アミノ酸ばかりに囚われてしまうと、ビタミンの摂取が上手くいかなくなる場合もあり、結果として状況が変わっていないという事にもなり兼ねないのは、非常に痛いですね。
ビオチンというビタミンの名前は、私も知りませんでしたが、アミノ酸が体内でしっかりと使われるためにも、このビタミンが欠かせない栄養成分であるという事も、覚えておいて欲しいです。材料だけあっても、それを動かす為にも必要なビタミンが無いと、せっかく取り入れた材料(アミノ酸)を無駄にするんですよ。
